- 何よりも大切なのは、かべ新聞の作り手の思いや問題意識です。
- 最終審査委員会では、しっかりとした検討をして、最優秀賞1点、審査員特別賞7点、優秀賞12点、入賞16点の受賞作品を選びました。最優秀賞については、応募段階では、2作品を予定していたのですが、検討の結果、今回は残念ながら1作品に限らせてもらうことにしました。その分、特別(優秀)賞を増やしています。
- 今年度のコンテストは、長引くコロナ禍の影響や応募時期が大幅に遅れたことなどの理由により、例年に比べ応募数が少なくなっているのですが、作品のレベル自体は決して劣ることなく、最終審査に残った作品全体に関しては、むしろ例年以上なのではないかという意見もあったくらいです。年を重ねるごとに作品が質的に向上しているように思います。
それでは、もう少し作品に関して良かったところを具体的に指摘しておきたいと思います。それは、次のような点です。
- ①「エネルギー」の問題にしっかり焦点があたっていた
- ②具体的な事実や数値にもとづいて考えが述べられていた
- ③具体的な見学や調査にもとづいて考えが述べられていた
- ④自分たちの住む地域の問題に目を向けていた
- ⑤これからどうしていけば良いかや自分はどうするかといったことが述べられていた一方、取り上げられるテーマが、「再生可能エネルギー」と「地球温暖化」に集中しすぎていることがやや気になりました。
こうした問題は今、最も注目されていることなので当然ではあるのですが、「エネルギーを安定的に確保していく」ということと同時に解決していかなければならないことでもあるので、もう少し広い視野がほしいところです。
また、かべ新聞は読み手に読んでみたいと思ってもらう必要があります。そのためには次のようなことに注意する必要があります。
- ①文字や図をていねいに分かりやすく示す - 書き手の思いの強さが表れる
- ②見出しを工夫して、全体として何を主張しようとしているのかが分かるようにする
- 本文を読まなくてもどんなことを述べようとしているのかイメージできるように
- ③述べられていることの信頼度を確保するために、事実や数値の出所を必ず示す
- 図表だけでなく、事実の説明などについても出所が必要
- ④事実や調査結果の説明だけでなく、必ず、自分の意見や感想を示す - この部分は、新聞にとって付け足しなのではなくむしろ中心となる
何よりも大切なのは、かべ新聞の作り手の思いや問題意識です。この問題を何としても解決したい、このことをみんなに何としても知ってほしいといった思いがあることが、すばらしいかべ新聞への近道だと思います。